屋根の構造を知っておこう(稲沢市のお客様から)
稲沢市平和町のお客様から受けた雨漏りの修理相談。お父様の第二建てられた木造住宅です。跡継ぎの息子さんは家の構造について詳しくないというので、屋根の構造について簡単にお伝えしました。屋根は屋根板、防水シート、屋根瓦の3層構造となっています。
2代目に家の構造を伝える
2代目は家を知らない
自分の家がどうやって建てられたか、知らない家主さんが増えています。
通常、家主さんは設計士と相談し、自宅の大まかな仕組みを理解されます。さらに建築途中も何度か見学に訪れ、その都度大工から説明を受けたり、リクエストを出したりして、知らず知らずの上に基礎や柱、壁、そして屋根の構造について理解を深めてゆかれるます。しかし、その家を継がれたお子さんはそのような経験はありません。物心がついたときにはすでに家は出来上がっており、その中身や構造がどうなっているのかは全く知らないといいます。
今回のお宅は私たちが建てたわけではありませんが、外観を見て大まかな屋根の構造をお伝えしました。
屋根は3層構造
屋根は大きく分けて3層に分かれます。
(屋根の形、ひらがなの「ヘ」を思い浮かべてください。)
屋根板
まず一番下に屋根板が張られています。天井裏に入ると、頭上にこの板が並んでいます。材質は木の板です。このままでは雨が降ると水が染み込みますので防水処理を施さねばなりません。
ルーフィング(防水材)
屋根板の上にルーフィングと呼ばれる防水シートを張ります。分厚いゴムシートをイメージしてもらうとよいでしょう。片面にノリが塗らており、屋根板の上に貼り付けます。これで雨が降ってもある程度雨水をはじいてくれます。
瓦(屋根材)
最後に屋根瓦をのせていきます。最近ではスレート(カラーベスト・コロニアル)など軽量なものが好まれます。この屋根瓦で雨水を下へ下へと逃がしていきます。
ルーフィングは釘を締め付けて防水
当日訪問したお客様の家では、カラーベストが使われていました。カラーベストは屋根上に固定するために釘を使います。釘はその下のルーフィングを貫通し、屋根板まで刺さる形で固定されていました。
「えっ?穴あけていいの?」
と聞かれましたが、ルーフィングは分厚いゴムシートのようになっていますので、釘が貫通してもその釘をキュッと締め付け水が入り込まないようにしてくれます。
ただ、その釘が錆びたり、ルーフィングの締め付け弱まったりすることで水が入りやすくなります。
ときどきは屋根の目視も
「へー。なるほどね。うまくできているもんだね。」
棟梁が描いた説明図を見て、2代目の息子さん夫婦はしきりに頷かれていました。考えてみれば、世帯主でも屋根に上ることなんてありませんし、ましてや屋根瓦を外してみるなんてこともしないでしょう。
そして修理ののち、
「それでも年に数回は屋根の様子をざっと見てもらってもいいかもしれませんね。異常に気付きやすくなりますし、その時は気軽にお問い合わせください。」
とお伝えしておきました。お客様は
「自分で修理はできないけど、ときどき屋根に上るのはよさそうだね。うん。時々見てみます。」
と、仰っていました。
「大丈夫かな?」と思ったら
屋根に上って
「あれ?これは大丈夫?」
と疑問に思ったら、「気軽に聞ける・ちょっと質問できる大工さん」片岡建築までお気軽に御相談ください。電話で説明が難しいと思ったら、写真を撮ってホームページから送っていただいても構いません。
稲沢市のお客様から雨漏り修理の依頼を受けました。訪問した先のお宅は築20年以上の木造住宅。息子さんが後を継ぎ、世帯主となられていました。注文住宅でしたが、ご両親が建てられたたので、家そのもの構造はよくわからないとこと。そこで今回屋根の構造について簡単にお伝えすることにしました。