雨漏修理を頼む前に、知っておきたい予備知識
雨漏り修理の心得 4か条
- 天井から「ポトッ、ポトッ」音がしたら早めに相談
- 屋根にはのぼらない(危険!)
- 天井裏へ入る点検口の場所を確認
- でも天井裏には入らないで(危険!)
- 相談時には写真を送ると便利
雨の日に天井裏からポトッ、ポトッ…と滴が垂れるような音がしたら、それは雨漏りの可能性が高いです。早めにお近くの工務店か大工さんに御相談ください。この段階なら屋根と天井裏の工事で済みます。
しかし、ほとんどの方はこの「音の段階」を見過ごします。そして天井に染みが出始めて、ようやく工務店に連絡されます。
天井に染みが広がるのは雨漏りの最終段階。屋根の修復みならず、天井板やクロスの張り替えといった大掛かりな工事まで飛び火しかねません。そういう意味からも、天井裏で滴る音がしたら、出来るだけ早めにご連絡・ご相談ください。
ここで簡単に屋根と天井の仕組みについて確認しておきましょう。一般的な住宅の場合、降った雨は屋根瓦を伝って下へ下へと流れていきます。この屋根に傷みが生じすると、そこから雨水が入り、屋根裏へと侵入。屋根から天井へと滴り落ちます。
この時に聞こえるのが「ボト、ボト…」という音。これが典型的な雨漏りです。 (あまり知られておりませんが)天井裏には断熱材が敷き詰められています。雨水はこの断熱材の上に滴り落ちますが、悪化すると断熱材も通過し、天井板に到達。さらに染み込んで天井の染みとなり、そこで初めてお客様の目に触れられるようになるのです。つまりお客様が天井の染みに気付いた時点で、
屋根瓦 → 屋根板 → 断熱材 → 天井板
…と、2重、3重の防壁をすり抜けられていることになります。「雨漏りはできるだけ早めに相談を」というのは、それだけ被害が深刻だというわけなのです。
「屋根の状態はどうなっているのだろう?」
「一度状況をこの目で確認しよう。」
と言って梯子(はしご)を持ち出され、屋根に上られる方がいますが、これはおすすめ出来ません。何より危険ですし、屋根に上ってすぐに原因となる箇所が分かるとは限らないからです。
先ほどのイラストは、雨漏りの仕組みを分かりやすく表していますが実態はもう少し複雑です。
雨水がポタポタと滴るのは屋根裏によほど大きな穴が開いているときです。通常はそこまで大きな穴や割れ目は少なく、雨水はじわじわと屋根裏へとしみ込んでいきます。しみ込んだ雨水はそのまま垂れることはなく、屋根板の傾斜を伝いながら下へ下へと流れていきます。そして柱にぶつかるとそのまま柱を伝い、ようやく天井板へと達します。
こうなると「天井のシミの真上で雨漏りをしている」とは言えなくなります。雨漏りは天井の染みよりもっと上の場所で起こっているかもしれません。雨漏りの正確な場所を見つけるためには、屋根上だけでなく、天井裏も調べる必要性が出てきます。
雨漏り修理では屋根の上だけでなく、屋根裏(天井裏)に入らせてもらう場合も出てきます。
私たち「屋根裏に上りたいのですが、点検口はどこになりますか?」
お客様「点検口?そんなの我が家にあるのですか?」
そして点検口を探すためにお部屋のあちこちを探索することがよくあります。そこで大工からのお願いです。
どこの住宅でも屋根裏に入るための点検口が用意されています。その場所を確認しておいてください。
和室なら押入れの天井、洋室ならクローゼットの天井などでしょうか。ものさしなどでグイグイと突いてみて、天井の板が開くようでしたら、そこが天井裏への入口です。この事前調査があるのとないのとでは大違い。点検口の場所が分からないと、修理当日
「入口はどこ?どこ?」
と家中を探し回ることになります。時間がかかりますし、あちこちのお部屋をお邪魔することになりますので、訪問日までに点検口の場所を確認しておいてください。
天井裏に通じる点検口を見つかりました。そこで
「中ははどうなっているか、入って見てみよう!」
そんな冒険心に満ちた積極的なお客様が時々いらっしゃいます。はっきり言いますが、天井裏は屋根上よりも危険です。天井板は皆さんが思っている以上に薄く、大人の体重なら簡単に踏み抜いてしまいます。下手をすれば、そのまま床まで落下!ということにもなりかねません。
点検口の場所を確認されましたら、その周辺を片付ける程度にとどめておいてください。
※私たちは天井板の上を直接歩くことはしません。梁(はり)と呼ばれる柱の上を歩きます。
業者さん相手に雨漏りの相談をする場合、電話ではなかなかうまく伝えられなかったりします。
「雨漏りの具合はどんな感じですか?」
「えーっと…。ポタポタと音がして…染みが10センチくらい?」
「屋根は瓦ですか?スレートですか?」
「スレート?」
「築何年くらいですか?」
「ええっと…。何年だっけ?」
業者も初めてお伺いする現場です。屋根の部材によって持ち込む修理道具も変わってきますので、出来るだけ事前情報を得ようとします。しかし「屋根の部材が何か」、「築何年か」など、正確に答えられるお客様はそうそう多くありません。
そんな時は天井や家屋の外観をカメラやスマホなどで撮影。それを見せてくださればれば、業者はおおよその状態を把握してくれます。
最初にお断りしておきますが、写真添付は必須ではありません。
「カメラがない」
「スマホがない」
「送り方が分からい」
そんな方はお電話や文章のみでも構いません。ただ写真を送っていただくと、お宅に訪問する前にさまざまな事が分かるので便利だというだけです。
天井に染みが出来ていれば、その状態を撮影してください。椅子に上ったりせずとも結構です。天井に向けてカメラをパチリでOK。
この2種類があると助かります。
染みの写真を見ればどれくらい雨水が浸透してきているかが分かります。天井の部材が何か(木製?クロス張り?)も分かります。天井全体が写った写真を見れば、お部屋のどこで雨漏りが発生しているかが分かります。天井の真ん中付近の染みならば
「これは間違いなく屋根からだな。」
部屋の隅のほうで生じている染みなら
「これは壁の割れ目からかもしれないな」
などと、スタッフがおおよその目安を付けられます。 雨漏りが数か所で発生しているなら、その旨をメモ欄に記入していただくと助かります。
天井の写真以外に御自宅の外観写真があると更に助かります。参考になるのは、
この2種類です。
私たちが真っ先にに知りたいのは屋根の部材。「瓦なのか」「スレートなのか」。どんな屋根をお使いか分かる写真があれば送ってください。
さらに建物の全体写真があれば、おおよその築年数と建てられ方が分かります。平屋か2階建かも分かります。何より訪問時の目印になります。
まとめますと、
以上の4種類の写真、それに点検口の場所が分かれば当日の調査時間がかなり削減できます。調査時間が削減できれば、お客様も
「今日はこの後出かける用事があるので、4時までには修理して欲しい。」
などとリクエストが出せるようになるのです。
では雨漏りについて聞いてみましょう。片岡建築では電話とホームページ、2つの問い合わせ方法を御用意しています。
ホームページからなら専用の問い合わせフォームを御利用ください。
こちらはデジカメやスマホで撮影した写真も送れるようになっています。先に写真を送って「先程写真を送った○○といいますけど」と、お電話をかけられても大丈夫ですよ。
「雨漏りかな?」
と思ったら、早めに早めに専門の業者さんに御相談ください。雨漏りは自然に直るものではありません。放っておくと悪化する一方です。天井の染みが広がる前に、大工さんや工務店に御連絡されることをおすすめします。私たち片岡建築に御相談される場合、雨漏りの状態をスマホなどで撮影し、問い合わせフォームから送ってくださると話がスムーズに伝わります。